活動レポート詳細
ももスタピッチナイト・ブラッシュアップ道場 第2回「 山口・岡山ピッチ強化コラボイベント」
9月24日、ももたろう・スタートアップカフェ(ももスタ)にて、ももスタピッチナイト・ブラッシュアップ道場 第2回「山口・岡山ピッチ強化コラボイベント」が開催されました。
メンターには、株式会社ちゅうぎんキャピタルパートナーズ 取締役の石元玲氏、株式会社中特ホールディングス 取締役の吉本龍太郎氏をお迎えしました。本イベントは、山口県と岡山県から集まった気鋭の起業家6名が登壇し、新たな視点と熱意あふれるビジネスアイデアを発表する場となりました。
会場のももスタには、会場には会社員やフリーランスの方が集まり、登壇者の発表を興味深く聴いておられました。

【当日のタイムスケジュール】
18:30 – ももスタ・メンター紹介
18:40 – ピッチ開始
20:00 – アンケート、写真撮影
20:10 – 交流会
20:30 – 終了
①株式会社佐藤商会/佐藤史康氏
こどもの「やりたい」と施設資源をつなぎ、こども主体のアフタースクールを実現するプラットフォーム「よかレッジ!」。学童保育において、大人の過剰な管理を減らし、子どもたちの主体性(オーナーシップ)を守るためのプロセスを仕組み化し、先生の業務効率化と子どもの健やかな成長を両立するエコシステムの構築を目指している、という内容でした。
メンターからは、民間施設から自治体へと広げていく導入ステップが明確である点が高く評価されました。「子どもたちの声が集まるシステム」というサービスの芯の強さに対し、「メンタルヘルスやスタッフの定着率向上といった効果を可視化できると、経営者層への訴求力がさらに高まる」と具体的なアドバイスが送られました。
②株式会社STRIX/福澤惇也氏
若者と専門家をマッチングし、教育環境をインフラ化する事業についての発表でした。学校内から教育を拡張する「学内塾(90名の専門講師の活用)」と、学校と地域企業をつなぐプラットフォーム「Hiraku」の2軸で展開。2030年の教育指針の変化を見据え、時代にフィットした新しい学校の形を提案されました。
メンターからは、大学教員としてのバックグラウンドによる説得力の高さと、流れるようなピッチ構成が絶賛されました。大学との提携や企業のブランディング向上といった、関係者全員にメリットが生まれる座組みについて議論が交わされ、「将来の教育インフラを再定義する素晴らしい視点」と期待が寄せられました。

③株式会社万人舎/藤井蔵吉氏
小規模な牧場の未来を守るための「地熱ミルクマッシュルーム構想」を発表されました。牛糞と地元の温泉熱(地熱)を活用してマッシュルームを栽培するアップサイクル事業です。効率化だけにとらわれず、歴史ある小さな牧場と地域の未活用資源を組み合わせることで、新たな価値を生み出すビジョンを語って下さいました。
メンターからは、「規模の経済ではないところで勝負する、泥臭くてかっこいい事業」と共感を呼びました。更に「なぜその地域でマッシュルームなのか、温泉街の歴史や牧場のストーリーをつなぎ合わせることで、そこでしかできない唯一無二のブランド価値が生まれる」と、世界観の構築に向けた熱いエールが送られました。
④株式会社テンダーハーツ/蓬郷たけし氏
低GI食材(ココナッツシュガー等)とオーツ麦を活用し、腸活機能を備えた新しいエナジーバーの開発について発表されました。インドネシアとの強力なパイプを活かし、血糖値が上がりにくい機能性と美味しさを両立。高齢者の補食やスポーツ層をターゲットに、常温保存可能な「腸活エナジーバー」という新ジャンルの確立を目指しています。
競合がひしめく市場の中で、「常温で腸活・低GI」という明確な差別化ポイントが注目されました。メンターからは「健康意識が高く、本当に良いものを求めている層に対しては、価格競争に巻き込まれない高単価・高付加価値な見せ方でアプローチするのも有効ではないか」といったマーケティング戦略の提案がありました。
⑤eachvista株式会社/池ケ谷周平氏
地方の中小企業が抱える「採用リソース不足」を解決するSNS採用サービス「Scoutly(スカウトリー)」について発表されました。オープンデータから候補者を抽出し、AIを活用して個別のスカウト文を自動生成。面談調整までを伴走サポートし、「待つ採用から攻める採用」への転換を低コストで実現する仕組みを提案されました。
メンターからは、サービス名から事業内容が直感的に伝わる点が素晴らしいと評価されました。採用単価を抑えるだけでなく、その後の「社員の定着」や「社内コミュニケーションの活性化」といった本質的な組織課題についても議論が広がり、地方企業の成長を支える心強いインフラとしての期待が寄せられました。

⑥イノベーションヒルズ株式会社/鈴木 肇氏
読者の選択によって展開が変わる、AIを活用した新しい小説・ゲームブックアプリ「STOORI」の構想を発表。単に物語を読むだけでなく、参加者が同時に同じ世界観にアクセスし、自身のアクションが物語に反映されていくという、巨大なコンテンツ市場を狙う次世代のエンターテインメントプラットフォームを動画とともに紹介されました。
自ら物語や世界観を創り出せるという壮大なビジョンに、会場全体が引き込まれていました。メンターからはAI生成コンテンツにおける権利保護のセーフティネットの構築や、今後のプラットフォーム展開(リアル店舗との連動など)について活発な意見交換が行われ、クリエイター市場を牽引する可能性が高く評価されました。
イベントの締めくくりとなるアフタートークでは、国内最大級のピッチイベント「ICCサミット」に登壇された吉本氏から、ピッチを成功に導くための極意を共有して頂きました。
吉本氏が強調したのは、「本番前に最低でも15名に壁打ち(プレゼン練習とフィードバック)を行い、客観的な視点を取り入れること」。そして最も重要なのは、「事業の華やかな成功プランだけを語るのではなく、自身の過去の苦労や挫折体験をあえて共有すること」だと言います。
完璧な姿を見せるよりも、直面した壁をどう乗り越えようとしているのかという「等身大のストーリー」こそが、聞き手の深い共感を呼び、応援したいという感情を動かします。
これから起業や新しいプロジェクトに挑戦する皆さんも、ぜひ自身の「原体験」や「乗り越えてきたストーリー」を言葉にして、周囲を巻き込む力に変えてみてはいかがでしょうか。
