活動レポート詳細
中四国から世界を変える挑戦者が集結!「The WEST Hub — 中四国発・資金調達マッチングイベント」
京都で開催される国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS」の公式サイドイベントとして、中四国の挑戦者たちが岡山に集結しました。本イベントは、中四国エリアの金融機関が推薦する気鋭のシード・アーリー期起業家と、首都圏を中心に投資の第一線で活躍するベンチャーキャピタリスト(VC)4名をお迎えした、圧倒的な熱量に満ちた資金調達マッチングイベントです。
モデレーターには、株式会社ちゅうぎんキャピタルパートナーズ取締役の石元玲氏、投資家登壇者には、Gazelle Capital代表パートナーの石橋孝太郎氏、ユナイテッド株式会社キャピタリスト・マネージャーの八重樫郁哉氏、Archetype Ventures Partner / GPの向川恭平氏、mint ジェネラル・パートナーの白川智樹氏をお迎えいたしました。
会場のももスタには、銀行関係者、企業経営者、そしてこれから起業を目指す若手やフリーランスなど約40名が来場。地域のセーフティネットを支える金融機関のバックアップのもと、次の成長へ向けて本気で資金調達に挑む起業家たちの熱いピッチと、VCによる鋭くも愛のあるフィードバックが交わされました。

【当日のタイムスケジュール】
16:00 – 16:10:オープニング
16:10 – 18:30:起業家ピッチセッション・VCフィードバック
18:30 – 19:30:クロージング&交流会
① LiLz株式会社/高木博史氏
プラント等の膨大な施設点検の負担や熟練者不足による業務の属人化を解決するため、画像解析AIによるリモート点検サービスを提供している LiLz株式会社。高木氏は、「現場では点検業務の属人化や人手不足が課題となっている」と話し、自動化による実績をアピール。今後は音や匂いもカバーする五感の実現を目指し、「データ取得の拠点を確保できる点に面白みがある」と展望を語りました。
VC陣からは、ビジネスの広がりや競合優位性について「データ蓄積による今後の展開や、先行逃げ切りを狙うための戦略」についての質問が投げかけられました。圧倒的な顧客基盤と実績に対し、「他と比較しても非常に優れた企業であり、着実に前進している強みを感じた」と高い評価が送られました。
② 株式会社Reflenge/岡山蒼衣氏
岡山氏は組織における早期離職や社員の本音を吸い上げられない課題に着目。AIチャットボットが本音を引き出し、メンタル状況をリアルタイムに可視化・分析して経営者に届けるサービス「leru.ai」を開発しています。今後の展望について岡山氏は、「将来的には学生時代からのデータを蓄積し、企業と学生をマッチングできるプラットフォームへ成長させたい」とビジョンを語りました。
VC陣からは、顧客やサービス設計について質問が寄せられ、「誰の何の課題を解決するのかをさらに突き詰め、プロトタイプをいち早く市場にぶつけて顧客の反応を見てみては?」と、事業解像度を高めるための前向きな助言が送られました。

③ トロイダルプロパルション株式会社/中村ユセフ健氏
中村氏は船舶業界の莫大な燃料コストとCO2排出量という課題に対し、100年間形状の変わっていなかったプロペラに着目。流体力学を活かした革新的な「トロイダルプロペラ」を実現し、圧倒的な燃費改善を提供しています。中村氏は、「日本の造船業界を盛り上げる起爆剤になりたい」と熱く展望を語りました。
VC陣からは、国内から始める意義や実装までのステップについて、日本から始める強みと、実装までのロードマップについての質問がありました。「非常に面白いチャレンジであり、提示された高い投資対効果(ROI)が本当であれば、交換時期に全員が切り替えるほどの破壊力がある」と市場性の高さが絶賛されました。
④ 日本AI開発センター株式会社/中尾香達氏
中尾氏は地方と都市部の情報格差をなくすため、活用率がわずか6.3%にとどまる地方企業へAIの導入・開発を一気通貫でサポートし、導入者数150社以上の実績を誇ります。中尾氏は「学生コミュニティを通じた人材育成・派遣の強みを活かし、さらにスピード感を持って100名体制へ拡大したい」と意欲を語りました。
VC陣のフィードバックとあわせて、中尾氏から「会社の価値を上げるためにどうしたら良いか」という質問を投げかけるシーンもありました。キャピタリストからは、事業を拡張する際の「再現性」と「面白味」をいかにストーリー化し、会社の価値向上へ繋げられるかが重要ですね、との助言がありました。
⑤ 株式会社Baby Jam/田村亮二氏
株式会社Baby Jamはアーティストのレーベル離れが進む中、アーティスト活動におけるマーケティングやプロモーション予算確保の課題を解決すべく、楽曲収益を92%の精度で算出するシステムを構築。将来の収益権利を前払いで受け取れるフィンテックサービスを展開しています。田村氏は、「データ、プロモーション、ファイナンスで音楽業界をアップデートしたい」と語りました。
VC陣からは、ビジネスモデルや成長戦略についての質問が寄せられました。「金融とエンタメを掛け合わせた非常にユニークなビジネスであり、コンテンツ獲得を目指す事業会社にとっても魅力的ですね」とフィードバックがありました。

⑥ 株式会社STRIX/福澤惇也氏
大学入試の過半数を占める「総合型選抜」において、福澤氏は高校の先生の負担過多や都市部との地域・経済格差という課題に着目。プロ講師をネットワーク化して高校と連携し、全国どこでも質の高い個別指導を受けられる仕組みを構築しています。福澤氏は「学校の機能を拡張し、子どもたちが希望を持てる日本にしていきたい」と熱い思いを語りました。
VC陣からは、具体的なマネタイズについて質問が寄せられました。「保護者が価値を感じて契約するような強烈な成功事例を深く作り込むことこそが、最大の説得力と成長に繋がりますね」と最後にエールが送られました。
⑦ 株式会社健康科学評価アカデミー/濱野裕章氏
濱野氏はヘルスケア商品の「機能性表示食品」の届出に必要な臨床研究のハードルを下げるため、自治体・医師会・大学と連携し、地域住民が参加する高品質な臨床研究のマネジメント体制を効率的に行えるサービスを展開しています。従来比で約60%のコスト削減に成功していると紹介されました。濱野氏は、「早期の臨床データ蓄積体制を確立し、全国展開とデータベース構築を進めたい」と展望を語りました。
VC陣からは、大企業の予算感や資金の使い道について「新商品開発を行える企業の規模や、今回の資金使途による検証ポイント」についての質問がありました。データベース構築に向けた成長戦略についても助言が送られました。
イベントの締めくくりとして、登壇したVC陣から総括メッセージをいただきました。
全体の講評として、「中四国ならではの地域特性や多様性があり、非常に新鮮でレベルの高いピッチばかりだった。スタートアップの共通言語やエコシステムが地域にも深く浸透しているのを感じる。こうした素晴らしい起業家たちが地域にいることを首都圏のVCもより理解すべきであり、日本全国へエクイティの還流が広がる素晴らしいきっかけになる」と、中四国の起業家たちの高いクオリティに驚きと大きな期待が寄せられました。
首都圏VCと地域発スタートアップの新たな資金調達やアクションが、ここ中四国地域から次々と形になっていく未来を予感させる素晴らしい締めくくりとなりました。
