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スタートアップの共創戦略 〜Charichariが挑む、地域モビリティ実装の舞台裏〜

12/23(火)に『スタートアップの共創戦略〜Charichariが挑む、地域モビリティ実装の舞台裏~』が開催されました!

今回のイベントでは、福岡を起点に熊本・名古屋・東京など全国でシェアサイクルを展開するチャリチャリ株式会社の公共政策部長 小柴大河 氏をお招きし、モビリティやまちづくりを超え、スタートアップが制度や構造を変革していくリアルを学べる機会となりました。

【タイムスケジュール】
18:30 オープニング・登壇者紹介
18:40 「まちの移動の、つぎの習慣」をつくるために
19:40 規制産業に挑むスタートアップのリアル
20:00 Q&A
20:15 クロージング
20:30 ネットワーキング

第一部:「まちの移動の、つぎの習慣」をつくるために
チャリチャリ株式会社は、「まちの移動の、つぎの習慣をつくる」をミッションに、全国9エリアでシェアサイクル事業を展開しています。電車やバスといった既存の交通インフラと競合するのではなく、幹線は補いきれない“ななめ・よこ”の移動を補完する「まちの葉脈」のような存在を目指しているとのこと。今後は中国・完成エリアに注力していきたいと語られました。

新しい習慣をつくることは、決して簡単ではありません。時間をかけて、人々の暮らしに自然となじませていくことが重要であり、そのための数々の工夫が、小柴さんのお話から伺えました。

一つ目は料金設定。事業としては15分単位課金の方が収益性は高いものの、実際のユーザー利用は10分前後が最も多いことから、「日常の中で細かく多頻度で使ってほしい」という思いを優先し、1分単位の課金制を採用しているそうです。収益性だけではなく、実情に照らし合わせた料金設計こそが、まちにになじむサービスにつながるという考えが印象的でした。

また、行政から公費は受け取らないというスタンスで、地方銀行などをオフィシャルパートナーとして巻き込みながら、長い時間軸での収益化に注力されているそうです。特注の自転車を製造し、可能な限り内製化をすることでコスト削減にも取り組んでいるとお話しされました。特に興味深く感じたのが、公式LINEを通じてユーザーが「ポートを設置してほしい場所」をリクエストできる仕組みです。集まった需要データをもとに、実際に約300カ所のポートが新設されているそうで、「まちの声を聞く」とはまさにこのことだと感じさせられました。

そして、最大の特徴は地元企業との様々な共創です。かつて鉄道が敷設された時と同じように、地元の放送局や不動産・インフラ系の会社などに株主として少しずつ出資してもらい、シェアサイクルという新しい移動手段を地元と育てていきたいと語られました。

スポーツチームと連携し、後輪のドレスガードに選手の写真やメッセージを入れることで、ファンが推しを見つける楽しさを生み出したり、マンション内にポートを設置することで不動産価値の向上につなげたりと、紹介し切れないほど多様な事例が共有されました。「地元にある企業すべて一緒にやるという気持ちで」という小柴さんの言葉が強く心に残り、本当にそれが実現するのではないかと感じさせられました。

 

第二部:規制産業に挑むスタートアップのリアル

行政の仕組みとして、まちづくりや公共交通は縦割りになりがちですが、シェアサイクルはまちづくりや公共交通の一つの手段です。だからこそ、シェアサイクルのことだけ考えるのではなく、地域コミュニティ、公共事業者、行政、Charichariの四方よしでみんながWin-winになる関係性を大切にしているというスタンスが語られました。

 

規制産業に挑む中で必ず直面するのが行政との対話です。その年ごとの政策トレンドを読み取り、連携協定の内容やエリア展開の戦略を逆算して設計しているというお話は、国土交通省出身の小柴さんならではの強みを感じさせるものでした。

また、サービス展開の障壁となっている容積率に関する規制緩和案を国に提出し、交渉3年目に入っているとのこと。日本シェアサイクル政策研究会を立ち上げ、Charichariだけではなく業界全体としてよくなるよう国へ働きかけをしているとお話しされました。地域課題を地域のプレイヤーと共に考え、地域交通事業者等と連携してまちづくりを進めていくチャリチャリの取り組みは、地域モビリティにとどまらず、地域で事業を育てたい方やまちづくりに関心のある方にとって、多くのヒントを得られる内容だったのではないでしょうか。

最後はみんなで、ももスタポーズ!
チャリチャリ株式会社の小柴さん、そしてご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!!!