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これからの地方発スタートアップとはー資本・戦略・地域の未来を語るー

11/27(木)に『これからの地方発スタートアップとはー資本・戦略・地域の未来を語るー』が開催されました!
今回のイベントでは、日米のVC業界を熟知する Theta Times Ventures 中垣徹二郎氏と、国内スタートアップを知り尽くすちゅうぎんキャピタルパートナーズ 石元玲氏が、30年の投資経験をもとに、資本・戦略・地域の未来について熱く語り合いました。

【タイムスケジュール】
18:30 ー 18:50 オープニング・登壇者紹介
18:50 ー 19:30 トークセッション / Q&A
19:30 ー 20:10 公開ピッチ
20:10 ー 20:30 クロージング
20:30 ー 21:00 ネットワーキング

中垣さんと石元さんは、新卒で同じ会社に入り、3年ほど机を並べて働いていた仲だそうで、冒頭から同窓会のような温かな雰囲気が漂っていました。トークセッションは、「世界で活躍するスタートアップが東京からしか出てこない“東京一強”が変わる時期なのではないか」という問いからスタート。さらに、1980年代には各地から日本を席巻する会社が生まれ、歴史の浅い会社が上場をしていたにも関わらず、今なぜ同じ現象が起こっていないのかーーそんな新たな視点も提示されました。かつては数多く生まれていた地方発リーディングカンパニーの衰え、そして、東京一強の裏側にあるのは、トレンドドリブンな起業スタイルが広がったことがあると言います。課題ベースではなく、トレンドを掴んで起業するというスタイルが流行ると、スタートアップ=IT=東京という価値観が定着し、情報が集まる東京にスタートアップが集中するというロジックは、非常に説得力のあるものでした。しかし、いまだにITでアメリカや世界に勝てる会社は日本から生まれておらず、「リアルの強みを持っている会社が日本のリーディングカンパニーになっていくのではないか」という中垣さんの示唆は、地方発スタートアップの可能性を強く感じさせるものでした。

また、東京は情報量の多さゆえに起業家の“型”が形成され、“VCが求める要素を揃えれば投資がつく”という勝ち筋が見えやすい環境でもあります。一方、Googleでさえ投資を300回断られたというエピソードからも分かる通り、本当に社会を変える事業は理解されにくいもの。トレンドに流されるのではなく、自分が信じ抜けるものを貫く重要性を、改めて実感する時間となりました。ブームだからスタートアップが急成長しているだけはなく、ビジネスをするインフラが整ってきたことで、インターネットサービスを低コストで作れるようになったからこそ、“地方にあるいいもの×テクノロジー”を掛け合わせられるかが、地方発スタートアップの勝ち筋だというポイントには、多くの参加者が深く頷いていました。続いては、中垣さんのVCとしてのスタンスに迫りました。

 

起業家との出会い方については、紹介が一般的な中、中垣さんはSNSやPR TIMESでサービスリリースのネタを日々チェックし、面白そうであれば自分たちからアプローチするとお話され、30年以上VCを続ける中でも、未完成の面白い企業を自ら発掘する姿勢に多くの学びがありました。

また、投資家は成功体験があるほど起業家へ口を出したくなるものですが、「まずは起業家の話を聞き切る姿勢が重要」と語られたことが印象的でした。中垣さんの、起業家に寄り添う姿勢と謙虚さが随所に感じられました。イベントの後半には、岡山の起業家2名による公開ピッチが行われました!

1人目は、株式会社Aquzooの堀内さん。水族館や動物園の来館料に依存した収入モデルに課題を感じ、動物の“小口保有”という新しいビジネスモデルを提案されました。ゲストからは、問題を先送りにしないために、水族館や動物園が抱えている本質的な課題を突き詰めることが大切だというアドバイスが送られました。

2人目は、岡山大学から内山さん。抗生物質が効かない“薬剤耐性菌”の世界的な問題に対して、抗菌酵素を使った新しい創薬で解決を目指しています。ゲストからは、内山さんだからこそできる強みや事業が成功しないシナリオについて踏み込んだ質問が投げかけられました。

最後には、参加者から「お互いにリスペクトしている部分は?」という質問が投げかけられ、中垣さん・石元さんの関係性に会場から笑みがこぼれる、温かい雰囲気のままイベントは締めくくられました。

最後はみんなで、“ももスタポーズ”!
中垣さん、石元さん、そしてご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!!!