活動レポート詳細

アトツギ協定キックオフイベント
【イベントレポート】アトツギ協定キックオフイベント
地域の事業承継とイノベーションを支援する「アトツギ協定」の締結を記念し、8月6日に「アトツギ協定キックオフイベント」が開催されました!
企業の未来を担う経営者や後継者が集まり、事業承継の現場で直面する課題や成長の過程について語り合うイベントが開催されました。
本イベントでは、家業を引き継ぎ、苦労と挑戦を積み重ねてきた経営者たちが、自らの経験を赤裸々に語り、参加者にとって大きな学びとなる時間となりました!
基調講演:鶴厚志氏が語る上場までの軌跡
ハンワホームズ株式会社 代表取締役社長 鶴 厚志 氏が基調講演を行いました。
鶴氏は「自社ブランドの売上規模が小さくとも、自らがコントロールできる領域を持つことが重要です」と強調し、下請けに依存せず付加価値を生み出すことで差別化を図る取り組みを紹介しました。全国でも同様の口座を持つ会社は二社のみという希少性は、参加者に強い印象を与えました。
さらに、鶴氏は自身の事業承継の歩みについても率直に語りました。父との経営方針の違いから関係が断絶し、株式承継時の債務超過や連帯保証といった困難を乗り越えた経験を共有し、「元気な先代との決別は事業承継の大きなテーマであり、社員や売上にも影響します」と語りました。その難しさと向き合う覚悟に、多くの参加者が耳を傾けていました。
職人業界における若手採用の工夫についても語られ、「工事業」ではなく「屋外空間創造・地方創生・経済価値創出」と発信することで若者の共感を呼び込み、5年前は十数人規模だった組織を現在は50?60人規模に成長させた事例は、多くの参加者に刺激を与えました。
トークセッション:世代を超えた本音の議論
トークセッションでは、全国で”ベンチャー型事業承継”を推進する一般社団法人ベンチャー型事業承継 代表理事 山野 千枝 氏と、白神商事株式会社/いえいろは株式会社 代表取締役 白神 康一郎 氏がファシリテーターを務め、鶴氏とのクロストークを展開しました。
議論は「右腕人材の確保」「金融機関との関係性」「若手社員の育成」など多岐にわたりました。特に鶴氏が「年商1億は一人でも可能、3億は父と二人で可能。しかし5億を目指すには人が必要でした」と語った言葉には、多くの参加者が共感しました。外部人材を迎え入れる難しさや、熱意で優秀な人材を口説き巻き込んだ経験は、参加者にとってリアルな学びとなりました。
また、銀行と後継者の関係性についても深い議論が行われました。後継者には決裁権がなく、数十万円すら自由に使えない現状があることが指摘され、「金融機関はまず後継者の話を聞くだけで良いのです」という提案がありました。小さな成功体験を積み重ね、共に未来を描く姿勢が重要だとの意見には共感の声が多く集まりました。
アトツギの挑戦:岡山幸太郎氏のピッチ
株式会社丸五 常務取締役でアトツギとして挑戦を続ける岡山幸太郎氏が登壇しました。
自身の経験や今後のビジョンを語るピッチを披露し、会場からはブラッシュアップの意見や質問が積極的に寄せられました。参加者が一体となって次世代経営を考える、まさに”共につくる”場となりました。
まとめ:地域の未来を創るアトツギたちへ
今回のキックオフイベントを通じて浮かび上がったのは、事業承継のリアルな困難と、それを乗り越えて挑戦を続けるアトツギたちの姿でした。自社ブランドの価値づくり、人材の確保、金融機関との関係性、そして親子間の葛藤と決別–それらは避けられない試練でありながら、企業の未来を形づくる大切なプロセスでもあります。
「アトツギ協定」は、こうした挑戦を後押しするための仕組みです。参加者の熱気と真剣な議論は、地域の未来を担う次世代経営者への期待の高さを物語っていました。本イベントは、アトツギたちが互いに学び合い、共に未来を創るための大きな一歩となりました。
イベント終了後は全員で記念撮影!
お越しいただきました皆様、ありがとうございました!