活動レポート詳細

イベント情報トピックス

6/19(木)第一回ももスタピッチナイト・ブラッシュアップ道場

6/19(木)に『第一回ももスタピッチナイト・ブラッシュアップ道場』が開催されました!
ピッチナイト・ブラッシュアップ道場は、ピッチ経験者向けにさらなるブラッシュアップを目指して、県外起業家のピッチに触れる機会と交流を目的としたイベントです。

今回のピッチのメンターには、株式会社ちゅうぎんキャピタルパートナーズ取締役の石元 玲 氏、兵庫県からNPO法人コミュニティリンク 代表理事 / CEOの中西 雅幸 氏にお越しいただきました。

【タイムスケジュール】
18:00 ー 受付開始
18:30 ー ももスタ・メンター紹介
18:40 ー ピッチ開始
19:40 ー アフタートーク
20:00 ー アンケート、写真撮影
20:10 ー 交流会
20:30   終了予定

今回は、岡山で事業を展開する4名の起業家と、兵庫から参加した3名の起業家、あわせて7名の方にご登壇いただきました。
昨年度のピッチイベントと同様に、登壇者の方々はピッチの前に、それぞれメンターへ「どこにフィードバックが欲しいか」を共有してからスタート。
岡山の起業家には中西さんを中心に、兵庫の起業家には石元さんを中心にフィードバックが行われ、ピッチを通じて両県の交流が自然と生まれる時間となりました。

トップバッターは、河野さん。高額な介護用品を気軽に試せる“お試しレンタルサービス”について紹介されました。
ピッチの中では、企業へのリーチに苦戦していることを率直に共有することで、それに対してメンターの方から的確なアドバイスが送られる場面も。
困りごとを言葉にすることで、メンターも参加者も自然と支援に回る、そんなピッチ道場らしい温かな空気がとても印象的でした。

2人目は、大西重徳さん。
大西さんは、岡山市に3名しかいないという「認定スクールトレーナー」として、運動リテラシーの向上を目指し、県内の子どもたちに運動の大切さを届ける活動に取り組まれています。1校1校を地道に回りながら、現場での声にも耳を傾けるなど、実践的に動かれている姿が印象的でした。そんな大西さんの事業が、今回のピッチをきっかけにさらに広がっていくことを期待したくなる、熱のこもった発表でした。

続いて登壇したのは、渡邊菜月さん。
ADHD当事者としての原体験をもとに、安心してつながれるコミュニティ「Poly」を立ち上げ、仲間とともに“自分らしい働き方”を模索する仕組みづくりに取り組まれています。
今回のピッチでは、当事者が自分の特性を活かして挑戦できる「ナナメブレスト」や、企業との共創によって新しい雇用の形を生み出していく構想についても紹介。
「できないからではなく、“自分だからできる”ことを増やしたい」という言葉が印象的でした。
実体験から生まれた問いと、それを社会に届けるための挑戦。渡邊さんのまっすぐな想いが、会場にじんわりと広がるピッチとなりました。

岡山の最後を飾ったのは、内山さん。
岡山大学で、動物分野において抗生物質の代わりに“酵素”を活用する技術の開発が進められています。提供するのは、抗菌酵素そのものだけでなく、その生産技術を動物薬品メーカーに提供するという2軸のビジネスモデル。
背景には、抗生物質が効かない「薬剤耐性菌(AMR)」の世界的な問題があり、放置すれば2050年には年間1000万人が亡くなる可能性があるとも言われています。
内山さん自身も3月に感染症を経験し、その脅威を身をもって実感されたそう。その実体験が、技術開発への強い原動力となっていることが、言葉の端々から伝わってくるピッチでした。

続いて、兵庫県のみなさんのピッチへ。
兵庫県1人目のトップバッターは、Miralis株式会社の池口さんです。
最近話題となっているマーダーミステリーやTRPGといった、複数人で数時間かけて楽しむ新しいエンタメ文化。その日程調整の煩雑さを解決するための予定管理・調整に特化したツールの事業についてお話ししていただきました。今後は、ニッチな領域だけではなく、さらに大きな市場も狙うとのこと、今後の事業展開に胸を踊らせるピッチでした。

二人目は、メディカルデザインラボ株式会社の北村さん。医療の現場に“デザインの視点”を取り入れることで、より多くの人にやさしい技術と仕組みを届けたいという想いから、遠隔診断支援や医療機器の開発支援に取り組まれています。

今回のピッチでは、脳波の異常をAIで検出するシステムの開発により、てんかん専門治療施設がない地域でもスクリーニング・早期診断ができる未来像について紹介され、会場でも高い関心が集まりました。

兵庫県最後は、株式会社JOINT CREWの竹内さん。
「子育てと仕事、どちらもあきらめなくていい社会をつくりたい」そんな想いから、病児保育支援サービス「くれいしゅ」を立ち上げ、医療コンテナを活用した施設設計や、保育のDX化などに挑戦されています。
ピッチ終了後のフィードバックでは、石元さんから「取れるところからお金を取る選択肢は?」という少し鋭い問いも。それに対して竹内さんは、「それではやる意味がない。子どもの笑顔を見るために、やるべきことをやるだけです」と真っ直ぐに答えていたのが、とても印象的でした。

全体のピッチが終わったと思いきや…石元さんの無茶振りで、急きょご登壇いただいたのは株式会社Carefranの久保田 洋介さん。
介護現場で感じた“やりがい”や“解決できた実感”を原動力に、ケアマネージャーの業務を支える仕組みを展開されています。報酬の低さや制度の壁から人材不足が深刻な中、自社雇用とITシステムを掛け合わせ、働きやすい環境づくりを推進。
保険制度の枠を超えて、地域の“交番”のような存在を目指す姿勢が印象的でした。

冒頭に登壇していた河野さんが抱えていた課題に対し、久保田さんはすでにそれを乗り越えており、実践者としての視点からアドバイスを送る場面も。ピッチを通じて事業が前進していく瞬間に立ち会えるのも、ピッチ道場ならではの醍醐味です。

久保田さんを含む8名のピッチが終了したあとは、石元さんと中西さんによるアフタートークへ。
出会った当時の貴重な写真が紹介される場面もありつつ、イベントの振り返りや感想が語られ、終始あたたかな雰囲気の中で締めくくられました。

最後はみんなで、“ももスタポーズ”!
中西さん、石元さん、登壇していただいた8名の方、そしてご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!!!